バセドウ病の疲労感を改善し疲れを減らす漢方薬
バセドウ病の疲労感を改善し疲れを減らす漢方薬
あなたは甲状腺機能亢進症のバセドウ病が原因で起こる体の疲労感にお悩みではありませんか?バセドウ病は安静時でもマラソンをしているように体力を消耗するので全身の疲労感が強く表れます。今回はバセドウ病が原因で起こる疲労感を改善し疲れを減らす漢方薬の知識とさらにバセドウ病の自己抗体TSHレセプター抗体を自力で減らすために免疫を調える生活習慣と食事法のアドバイスをお届けします。
バセドウ病が原因の疲労感
バセドウ病は甲状腺の働きが活発になり過ぎている状態で甲状腺ホルモンは車のアクセルの役割をするホルモンのため全身が機能亢進の状態になるので体力を消耗して強い疲労感が現れます。
バセドウ病の疲れ 漢方では血熱
私たちは食べ物を体の中で熱エネルギーに変えて体を維持しています。したがって体の中にはいつも熱が充満していますが一方で余分な熱を体の外に取り出してバランスを取っています。
バセドウ病では体の機能が亢進状態になっているため体の中の熱のこもりがいっそう激しくなり、血熱(けつねつ)と呼ぶ血液の熱を体外に十分に取り出す働きが追い付かず、滞った血液と血熱が増して熱がこもるため疲労感が強くなると漢方では考えています。
血熱が強い疲労感に柴胡加龍骨牡蛎湯
バセドウ病の発症初期で陰虚と呼ぶ血液中の水分が不足している状態が少ない場合で血熱が増して熱の滞りが深部に及びイライラや夢にうなされたり神経症状を伴う疲労感によい漢方薬が柴胡加龍骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)です。
体力の消耗が激しい疲労感に黄耆の漢方薬
バセドウ病で熱の滞りが長引くと血液や体液も消耗します。このような時は黄耆(おうぎ)を配合した漢方薬をお試し下さい。黄耆は体液を補い体力の消耗を援ける働きがあります。
黄耆が入った漢方薬はたくさんありますが疲労感が強く寝汗が出たり体が重だるい、汗が止まらない、皮膚がカサカサするなどの症状を伴う場合に黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)をおすすめします。
バセドウ病の原因 自己抗体
バセドウ病の原因である自己抗体をご存知ですか?
バセドウ病の自己抗体は甲状腺の表面にある甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHレセプター)を異物として認識してしまい、甲状腺刺激ホルモン受容体に対するTSHレセプター抗体(TRAb)が作られるためです。
この自己抗体(TRAb)がTSHレセプターと結合し、甲状腺ホルモンを過剰に分泌させ甲状腺機能が亢進します。
もしTRAbを減らすことが出来れば甲状腺ホルモンの過剰な分泌を減らせるのでバセドウ病の完治につながるのです。
自己抗体は免疫の乱れが原因
自己抗体は免疫の乱れで出来やすいと言われています。この免疫の乱れは免疫が亢進でもなく低下でなく、亢進と低下が入り乱れ免疫が不安定な状態を指します。免疫が不安定で正常に働かずエラーを起こすため自分自身の抗体である自己抗体を作ってしまうのです。
自己抗体を減らすため日常生活で気を付けるべきことはストレスを減らす・溜めないこと、無理をして頑張りすぎないこと、体を冷やさないことです。今回は体を冷やさないについてお伝えします。
自己抗体を減らす食事と生活習慣
自己抗体を減らす減らすためには体を冷やさないことです。体を冷やす原因の多くは水分の摂り過ぎにあります。
私たちの体にとって水分は大切ですが、なにを飲むかとどう飲むかという飲み方が大切です。どこに行っても自動販売機があり冷たい物がすぐ飲める現代は体を冷やす冷たい飲み物・水分を摂りすぎている方が多いです。
水分の摂り過ぎは胃腸を冷やして胃腸の機能を低下させます。私たちの体は消化、吸収のために食べ物が胃に入ってくると沢山の血液を胃腸に運びます。胃腸が丈夫で働きが活発な方は良いのですが、胃腸の働きが弱っている時や、病気と闘っている方は注意が必要です。
冷たい物や飲み物を摂り過ぎてしまうと、胃腸に負担がかかり、体は胃腸の消化吸収力が悪くならないように余分に血液を胃腸に集めなくてなりません。
その結果、体の悪い所を治すために必要な防衛隊である血液を肝心な場所に送ることが出来ず、免疫細胞の働きを活発に保つことが出来なくなってしまうのです。
体を冷やさない生活習慣
1、アイスクリーム・ビール・冷たい飲み物は胃腸を冷やしますので温かい飲み物を少しずつ飲む習慣に変えましょう。
2、胃腸の働きを高めて水分代謝を良くして体の水毒を治す発芽ハトムギエキスのゴールド三養茶を毎日の健康茶としてお勧めします。お茶代わりにこまめに少量ずつ飲むのがお勧めです。はと麦なら国産発芽ハトムギエキス を参照して下さい
3、ケーキ・お菓子など白砂糖を使った食品の多くは体を冷やします、甘味が欲しい時は蜂蜜や黒砂糖などを少量使いましょう。
4、生姜・ねぎ・コショウ・にんにく・わさび・辛子・など薬味は体を温めるので毎日の食事と一緒にお召し上がり下さい。
5、腹巻きを常用してお腹の冷えを防ぎましょう。
免疫の乱れを整えるレム(LEM)
レム(LEM)とはシイタケ菌糸体培養培地抽出液のことです。免疫力を調整し免疫低下や免疫力過剰、免疫の乱れによって引き起こされる体の不調にお勧めします。
免疫はもって生まれた機能ですがとてもナイーブな働きです。ストレス・寝不足・疲れ・体の冷えによって免疫機能に乱れが生じて自己抗体が生まれやすくなります。
レムを常用することで免疫機構が正しく機能し自己抗体が出来ないような体作り、異物を排除できる体を目指します。
相談例 自己抗体が正常値に改善
バセドウ病 50代の男性の相談例です。ご本人が掲載を快諾して下さいました。バセドウ病でお悩みの方の希望になれば幸いです。
約半年前、体調が悪いが原因がわからず、内科、心療内科など病院を転々とし、やっとバセドウ病の診断を受け、3日前からメルカゾールを服用し始めた。当店で以前漢方薬を服用した事があるので、何か併用できる薬がほしいとご来店。主訴は微熱、動悸がする、だるい。仕事も忙しく、ストレスも感じやすいとのこと。
河合薬局で免疫の乱れを改善しバセドウ病の原因である自己抗体を減らす目的と症状を抑えるためLEMと漢方薬をお勧めしました。
初回の検査数値
TSH (甲状腺刺激ホルモン、正常値 0.2~4.5)→ 0.01
TRAb (抗TSHレセプター抗体、 正常値 2.0未満) → 6.9
FT4 (遊離サイロキシン、正常値 0.8~1.6) → 3.25
FT3 (遊離トリヨードサイロニン、正常値 2.2~4.3)→ 9.0
ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ 、正常値 10~42) → 32
AST (アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ正常値 13~30) → 25
2週間後 TSHが改善
TSHが初回に比べ9倍に上昇。これはTRAb(抗TSHレセプター抗体)が下がってきていることが推測され、たいへんよい傾向だと考えられる。ご本人の自覚症状も改善され、動悸はまだあるものの、だるさと微熱は軽減されました。
TSH 0.09
FT4 2.5
FT3 8.4
ALT 31
AST 23
5週間後 肝機能の数値が上昇
生ものは食べていないが、甲状腺治療薬の副作用で肝機能が上昇したのか、動悸はないがだるさはある。メルカゾール1日3錠から2錠に減った。漢方薬は休止しLEMは継続して頂く。
TSH 0.03
FT4 0.92
FT3 3.0
ALT 71
AST 38
2ヶ月後 肝機能が正常値に改善
経過が良いのでメルカゾール1日2錠から1錠に減った。LEMを1日1回1/2袋のを継続。
FT4 0.78
FT3 3.0
ALT 32
AST 25
3ヶ月後 自己抗体のTRAbが正常値に
TSHが正常値より少し高いが FT4、FT3、自己抗体のTRAbは正常値内になりました。お酒を飲む機会があるがほとんど飲まずに過ごし体調も良い。メルカゾールは2日1錠に減薬 、 体調が良いので LEMを継続。
TSH 5.24
TRAb 2.0
FT4 1.01
FT3 2.9
ALT 26
AST 24
5ヶ月後 メルカゾールが7日で2錠の服用に減少
検査値はすべて正常値内に改善。メルカゾールは1週間に2錠に減薬。LEMを継続。
TSH 2.07
TRAb 0.9
FT4 1.13
FT3 3.0
8ヶ月後 バセドウ病が治癒 自己抗体が1/8に減少
検査値はすべて正常値内。
相談当初は通勤の駅の階段を上るのも動悸がして大変だったそうですが、8ヶ月後、検査数値はすべて正常内、自己抗体は初回検査値の8分の1になりました。ドクターから寛解との言葉。メルカゾールなくても良いといわれました。
TSH 3.54
TRAb 0.8
FT4 1.21
FT3 3.4
休日には1,000m級の山にトレッキングできるほど体調が回復しました。ストレスに気を付けながら今もLEMは服用中です。
LEMの服用で バセドウ病の自己抗体が正常値内になり、症状もなくなりました。さらに、今年は花粉の飛散量が多かったのですが、花粉症も薬を服用せずに楽に過ごせました。これもLEMの免疫調整力の賜物だと思います。
まとめ、相談希望の方へ
バセドウ病の症状を抑える治療は大切ですが、一方で自分自身の免疫力を整えることがその先にある完治に向けた取り組みにつながることをお知らせしたいと思います。現在の治療法と河合薬局がお勧めする2段構えの漢方体質改善を併用して自然治癒力を高めバセドウ病の克服に取り組んでみてはいかがでしょうか。お困りの方はご相談下さい。