胸焼けの治し方の漢方薬を体質と症状に合わせて選ぶ知識と処方例

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胸焼けに悩む女性のイメージ画像と胸焼けによく効く漢方

胸焼けの治し方の漢方薬を体質と症状に合わせて選ぶ知識と処方例

あなたは胸焼けの悩みを抱えていませんか?逆流性食道炎や食道・胃十二指腸潰瘍、急性・慢性胃炎などが原因で起こる胸焼けの症状はゲップ、吐き気、口臭などの不快な症状も伴います。ここでは胸焼けの漢方での治し方と漢方薬の処方例をお伝えします。
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治療が必要な胸焼けに注意

胸焼け症状の中には前述のように急性胃炎や食道・胃十二指腸潰瘍の専門医の治療が必要な胸焼けがあります。症状が激しい場合や今までに受診したことがない場合は専門医を受診し早急な治療の必要がないと判断された場合に漢方の体質改善に取り組むことをお勧めします。

胸焼け 漢方の考え方

漢方では胃の働きと腸の働きを区別して考えています。胃の働きと腸の働きの釣り合いが大切だと考えているのです。胃腸の働きが良い状態とは、胃>腸(胃の働きが腸の働きより強い)が正常です。

胃と腸の働きのバランスがとれていれば胃で消化された内容物がスムーズに腸に送られてゆくのですが胃<腸(胃の働きの方が腸の働きより弱い)の場合は胃から腸に送ることが出来ずに不消化物が滞ってしまいます。

胃腸の働き自己チェック法

胃腸の働きの良し悪しを自分で確認する方法があります。腹証の自己チェックと呼ぶ方法です。仰向けに横になり膝を立ててお腹に力が入らない状態の姿勢になります。

この姿勢でみぞおちからおへそに向かって人差し指と中指を揃えて移動させながら押して下さい。みぞおち付近を押すと圧迫痛や不快感はありませんか?

指を少しずつおへそに向かって移動させて行くと痛みを感じる箇所や動悸打ちが強い個所はありませんか?

お腹がゴロゴロ・チャプチャプ鳴ったり重苦しい場合は胃の働きが弱く不消化物が滞っている(胃内停水いないていすい)と呼ぶ症状です。

みぞおちを押すと痛い症状の胸焼けに半夏瀉心湯

前述のように胃>腸(胃の働きが腸の働きより強い)が正常です。胃<腸(胃の働きの方が腸の働きより弱い)の場合は胃から腸に送ることが出来ずに滞ってしまいます。

このような原因で起きる胸焼けには半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)をお勧めします。半夏瀉心湯が良い目安は、みぞおちが痛い症状や下腹部が冷たかったり、軟便・下痢気味の症状もある筈です。

半夏瀉心湯の詳しい働きを知りたい方は、河合斎の嘔吐噦下利病脈証治第十七 解説 10条をお読み下さい

胃が張り、痛みのある胸焼けに茯苓飲

前述のお腹がゴロゴロ・チャプチャプ鳴ったり重苦しい症状は胃内停水のために胃の働きが止まっている症状です。このような状態で胸焼けし食欲がなく水を吐き出したりみぞおちとおへその中間あたりを押すと痛い時は茯苓飲(ぶくりょういん)をお試し下さい。

茯苓飲の詳しい働きを知りたい方は、河合斎の痰飲咳嗽病脈証并治第十二 解説 20条をお読み下さい

さらに胸焼けが上の方まで及ぶような逆流性食道炎と思われる胸焼けの場合は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と茯苓飲を併せて飲むことをお勧めします。

吐き気の漢方薬について知りたい場合は、ストレスによる吐き気の漢方薬を選ぶ基本は胃と腸の強弱バランス をお読み下さい。

まとめ

胸焼けの改善に漢方薬の治し方は一朝一夕にすっかり良くなるほど即効性はないかもしれません。

対症療法で症状を緩和することも大切ですが漢方の胸焼け治療は胃と腸の働きのバランスを整え胃薬を常用しなくて済む体質改善です。お困りの方は一度ご相談下さい。

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