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アトピー性皮膚炎で乾燥してかゆい時によい漢方薬の知識と処方例

あなたはアトピー性皮膚炎で肌が乾燥して痒い悩みをお持ちではありませんか？アトピー性皮膚炎の肌状態は皮膚が赤くなってかゆい、ジクジク湿ってかゆい、皮膚が厚くなってかゆいなど様々です。今回はアトピー性皮膚炎で肌が乾燥して痒い時によい漢方薬をお伝えします。保湿クリームだけではなく皮膚に潤いを与え乾燥肌を治す漢方薬の知識と具体例です。

漢方が考えるアトピー性皮膚炎の原因

私たちの体の中は熱が溢れています。それは食べ物を食べて体内で熱エネルギー(代謝熱)に変えて体を維持しているからです。したがって体の中にはいつも熱が溢れた状態になっています。

他方では余分な熱を体の外に取り出して熱がこもり過ぎないようバランスを取っています。大便や小便は体外に食べかすや水を取り出しているだけでなく熱を取り出す手段です。さらに皮膚からも汗によってたくさんの熱を取り出しているのです。

代謝熱を上手く体外に取り出すことが出来ず皮膚に熱が滞ってしまうのがアトピー性皮膚炎のかゆみ、赤みと漢方では考えています。

皮膚の熱の滞りの浅い深いを区別

前述のようにアトピー性皮膚炎の肌の状態には皮膚が赤くなってかゆいタイプ、ジクジク湿ってかゆいタイプ、皮膚が厚くなってかゆいタイプなど様々です。これらの違いを漢方では皮膚の熱の滞りが浅いか深いかを区別して治療法を組み立てます。

皮疹で見分ける熱の浅い、深い

アトピー性皮膚炎の漢方薬を選ぶ際に大切なのは、皮膚の状態(皮疹=ひしん)をよく見ることです。

皮疹のうちで発赤や小丘疹は皮膚の浅い部分、皮膚の表面に熱の滞りがあって皮膚から熱を発散させる働きが障害されて熱が滞り、かゆみを引き起こしているタイプのアトピー性皮膚炎です。

発散不良が原因のアトピー性皮膚炎の赤み かゆみによい漢方薬　を参照して下さい。

皮膚から熱を発散させる力が弱い(漢方では衛気不足により発散が低下し熱が鬱滯していると言います)場合に使う漢方薬の代表は、麻黄(まおう)が含まれる漢方薬です。

アトピー性皮膚炎の赤みの改善に効く漢方薬の上手な選び方と具体例 参照

皮膚表面の熱の滞りの画像

この写真の状態は皮膚の浅い部分、皮膚表面に熱の滞りがあって皮膚から熱を発散させる働きが障害されて熱が滞り、かゆみを引き起こしていると考えて漢方薬を選びます。

肌が乾燥してかゆい場合は熱が浅い？深い？

アトピー性皮膚炎で肌が乾燥してかゆいのは、熱の滞りが浅い場合の症状です。その点では皮膚から熱を発散させる力が弱い(漢方では衛気不足により発散が低下し熱が鬱滯していると言います)場合に使う漢方の場合と同じですが、違いがあります。

その違いは皮膚から熱を発散させる力が弱いことに加えて胃腸の働きが弱いために皮膚に潤いを与えるために必要な血液、体液の循環力が悪い原因が加わっているという点です。

アトピー性皮膚炎で肌が乾燥してかゆい画像

肌が乾燥してかゆい症状に黄耆

肌が乾燥してかゆい症状には黄耆(おうぎ)配合の漢方薬を使うのがよいでしょう。

少し専門的になりますが黄耆ってどんな働きなの？を知りたい方に　傷寒論 金匱要略に用いられている薬物・薬能編のあ行　おうぎ　を参照して下さい。

黄耆が配合された漢方薬はたくさんありますが、アトピー性皮膚炎で肌が乾燥してかゆい症状に河合薬局でお勧めするのは桂枝加黄耆湯、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯などです。

それぞれの漢方薬の詳しい使い分け方法については別の機会にご紹介します。

体験例 写真 オゾナスキンケア　アトピー性皮膚炎

写真左、2018年12月13日　写真右、2019年3月11日

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まとめ

アトピー性皮膚炎で肌が乾燥してかゆい時にお勧めの漢方薬はご紹介した漢方薬の中から選んで試してみるとよいでしょう。初めは1週間～10日間位の短期間飲んで自分に合うかどうかを見極めながらお試し下さい。河合薬局でも乾燥とかゆみが激しいアトピー性皮膚炎の相談の方にお勧めして喜ばれたことがあります。「こんなに肌がなめらかになれたのは何年ぶりだろう？」と喜ばれました。

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