更年期うつに効く漢方薬を飲む時の知識と処方例

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更年期の鬱に悩む女性のイメージ画像

更年期うつに効く漢方薬を飲む時の知識と処方例

あなたは更年期のうつに苦しんでいませんか?更年期に現れる体や心の症状は様々ですがお悩み相談で多いのが更年期うつによる倦怠感や憂うつ感です。現代女性は更年期障害の症状が長く続き激しい症状が現れやすいそうです。そこで今回は更年期のうつ症状改善に効く漢方薬の知識と処方例、さらに自律神経と免疫を調えるレム(LEM)についてお届けします。あなたの更年期うつの改善にお役立て下さい。

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更年期症状に似た病気に注意

更年期障害に現れる倦怠感や憂うつ感は甲状腺機能障害など別の原因で似た症状を起こすことがありますので注意が必要です。強い症状が長引く時は専門医を受診し他の病気が潜んでいないことを確認した上で漢方の体質改善に取り組むことをお勧めします。

更年期のうつ 漢方の考え方

漢方では更年期のうつを体内の熱の滞りと考えて治療方法を決めます。熱が滞る原因は大別すると5つに分類できますが、今回はその中で原因が多い2つについてご紹介します。

原因の第一は血熱

第1は血熱(けつねつ)と呼ぶ漢方の考え方です。血熱とは血液の熱を体外に取り出せず滞った血液と共に熱が体にこもってしまう状態を指します。

私たちの体は食べ物の栄養を体の中で熱エネルギーに変えて体を維持しています。そのため体の中にはいつも熱が充満していますが、一方で余分な熱を体の外に取り出してバランスを取っています。

血液は体内の熱を運ぶ輸送トラックの役割をしていますが、熱を上手く運ぶことが出来ず熱が滞り血熱を増すと脳の血液循環も悪くなり頭冒感や気分の落ち込み、うつ症状の原因を作ります。

原因の第2は胃腸虚弱

第2は胃腸虚弱です。漢方では陽気が乏しいと言いますが胃腸虚弱の方は皮膚表面への血の巡りが悪く体内の熱を皮膚から発散させる働きが弱いためです。

例えば、大便や小便は食べかすや水を取り出しているだけでなく体内の熱を外に取り出す手段です。また汗によって体表から熱を発散させて取り出しています。

胃腸の機能が悪いと栄養を体内に摂り込む力が低いためエネルギー不足で陽気が乏しく熱を発散させる力が弱いため熱が滞り更年期うつの症状を起こす原因になります。

胃腸虚弱の自己チェック

更年期うつの症状で特に女性に多いのが胃腸虚弱体質による原因です。自分は胃腸が弱いと思っていない方にも試して頂きたいのが胃腸の良し悪しを確認する腹証(ふくしょう)の自己チェックです。

下の図のように仰向けになって膝を立てた状態で指でお腹を押してみます。直接お腹に指を触れることが出来る服装であれば確認しやすいです。

腹証自己チェックの図

漢方 腹証の自己チェック押す場所はみぞおち~おへそにかけてのラインで人差し指と中指の2本を立て、上から下に指を少しずつ移動させながら押してみて下さい。

やや強く押してみて痛みを感じたり不快な圧迫感を感じたり強い動悸打ちやお腹がゴロゴロ・チャプチャプ鳴ったりしませんか?お腹が冷たくありませんか?腹証チェックでお腹がチャプチャプゴロゴロ鳴る症状を胃内停水(いないていすい)と呼びます。

また、腹証チェックでみぞおち~おへそに押しながら指を少しずつ移動させて行くとドキンドキンの動悸打ちが強い場合も胃腸の働きが悪い証拠です。

血熱と胃腸虚弱が原因の更年期うつに加味帰脾湯

血熱が原因の更年期ほてりには血熱を鎮める柴胡(さいこ)が配合された漢方薬の中から治療法を選びます。柴胡が配合された漢方薬にはたくさんの種類がありますが、血熱が原因の更年期うつにお勧めは加味帰脾湯(かみきひとう)です。加味帰脾湯は不眠症、精神不安や神経症に用いられる漢方薬です。

皮膚の発散を援ける香蘇散

更年期うつの症状でお悩みの方は血熱の症状に加えて胃腸虚弱の体質がある筈です。そのため前述のとおり皮膚表面から熱を発散させて気分を晴らすことが出来ず鬱症状が長引くのです。

そのような時に漢方では辛味(薬味)を積極的にお勧めします。辛味は皮膚からの発散を援け気分を晴らす効用があります。食べ物では、ねぎ・生姜・山葵・山椒・胡椒などが辛味です。

漢方では香蘇散(こうそさん)が良いでしょう。香蘇散は胃腸虚弱で皮膚からの発散が滞る症状に応用できます。血熱と胃腸虚弱によい加味帰脾湯に香蘇散を併せてお試し下さい。

自律神経を整える体質改善にレム(LEМ)

シイタケ菌糸体培養培地のイメージ画像更年期うつを改善する漢方は血熱を治し胃腸の働きを高め皮膚から熱を発散させる働きを援けるのが目的です。さらに、自律神経と免疫を調える体質改善に河合薬局ではレム(LEМ)をお勧めしています。

私たちは体の働きを調整する自律神経とホルモンの分泌をつかさどる内分泌系、外から侵入する異物から体を守る免疫系の3つの働きで生体恒常性(良い体のバランス)を保っています。

ところが現代人は強いストレスによって体の恒常性のバランスを取ることが出来ず不調を訴える方が多いのです。ストレスが多くなると自律神経のバランスが乱れます。するとホルモンバランスが乱れ、さらに生体恒常性が崩れると免疫系も乱れ免疫低下や免疫の不調和が原因のアレルギー症状を起こしやすくなります。

河合薬局はこれら自律神経・内分泌系・免疫系、のバランスを整え自分自身で病気を治せる体作り、再発を防げる体作り、さらには病気を予防できる体作りのために椎茸菌糸体培養培地抽出物LEM(レム)を毎日摂るようにお勧めしています。

60代女性の相談例 気分が落ち込みやる気が起きない

60代女性の相談例です。1年前にめまい、立ちくらみと貧血症状を起こし体力に自信がなくなってしまったそうです。やる気が失せて外出する気力も低下し朝、気分が落ち込んですっきりしないため1日中部屋でボッーとしていることもあるという深刻なお悩み相談です。ストレスに弱い体質というご自身からの訴えもありました。

胃腸の働きが弱くそのため体表からの発散が悪い体質を治すための漢方薬と自律神経を整えるレム(シイタケ菌糸体培養培地抽出物)をお勧めしました。

1週間後
朝の気分の塞がりが少し改善してきたようだ

2週間後
朝から動けるようになり頭が重い症状がなくなってきた。

30日後
頭に霧がかかっていたような不快な症状がなくなって、外出できるようになってとても嬉しいと喜ばれた。

2か月後
体調が良いので漢方薬は1日おきに服用するようにお勧め。レムは毎日飲みたい。レムを飲んでいると気持ちが落ち着きとても気分が良く、安心できるとのこと。

8か月後~現在
漢方薬を飲まなくても体調が良く安定している。レムは飲んでいると安心できるのでずっと続けている。不安な気持ちになった時にすぐ飲めるようにお守り代わりに感応丸(かんのうがん)を持ち歩いている。

まとめ

更年期うつにに現れる倦怠感やだるい、眠い、やる気が出ないなどの症状に対応する漢方薬はご紹介した以外にもたくさんあります。ここでお届けしたのは、これらの症状が起こる原因を漢方ではどのように考えて改善しようとしているのか、また長引く症状には瘀血(おけつ)と呼ぶ血液の流れの滞りを治す漢方薬も必要な場合があります。お困りの方はご相談下さい。

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