更年期障害の腹痛に漢方。自分の体質を知る自己チェック法
更年期障害の腹痛に漢方。自分の体質を知る自己チェック法
女性の体は7の倍数で変化が現れるといいます。7×7=49歳頃に女性は閉経を迎えその前後に更年期障害の悩みが多くなります。今回は更年期障害で起こる腹痛について漢方ではどのように考えて治療法を決めるのか、体質にあった手当てを選ぶために自分でできるチェック方法をお教えします。
類似の腹痛症状に注意
まず初めに注意しておきたいのは、更年期障害の腹痛には子宮筋腫や子宮内膜症による専門の治療が必要な腹痛や子宮ガン、卵巣ガン、大腸ガンなどの一刻も早く専門医への受診が必要な腹痛が隠れている場合もあります。
更年期障害で腹痛が長引く場合は、まず専門医を受診し検査で早急な治療の必要がないと判断された場合に漢方の体質改善に取り組むことをお勧めします。
ここでは女性の閉経期にかけて現れる不快な更年期障害の腹痛(主におへそから下腹部にかけて)の治療の考え方と体質にあった漢方薬を選ぶための自己チェック法をお教えします。
更年期障害の腹痛 漢方の考え方
更年期障害の腹痛を治す漢方はあなたの体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。ですから漢方は信頼できる専門家に相談して服用することが一番です。今回ご紹介する漢方薬は河合薬局でもお勧めして評判の良い漢方薬ですから、7日~10日間ほどの短期間お試しになって自分に合う合わないを確かめながらお飲みになることをお勧めします。
漢方では更年期障害の腹痛を考える場合、日頃から胃腸の働きがが悪いために起こる腹痛、血熱が原因の腹痛、下腹部の瘀血(おけつ)による腹痛を考慮して治療法を組み立てます。今回は河合薬局漢方相談でも多い胃腸の働きによる腹痛と瘀血による腹痛について自分でできる自己チェックとおススメ漢方薬をご紹介します。
女性の体の特徴 漢方の考え方
普段から女性は男性に比べて胃腸の働きが不活発な方が多いのです。それは女性は普段から血液循環を子宮・卵巣周辺に多く巡らせているため、胃腸への血液循環がお留守がちになりやすく普段から胃腸の働きが不活発になりやすいためです。
漢方で胃内停水(いないていすい)と呼びますが飲んだり食べたりしたものを下へ送る力が弱くいつまでもお腹がチャプチャプしていたり、腸の働きが弱く胃から送られて来た飲食物が滞ったりという原因が更年期障害の腹痛の原因になりやすいのです。
胃内停水の自己チェック方法 当帰芍薬散
胃内停水のチェック法は仰向けになって膝を立ててお腹が軟らかい状態でみぞおちからおへそに向かって押してみると分かります。
お腹を押してお腹がゴロゴロ・チャプチャプ鳴ったり痞えて重苦しいのは胃内停水のためと考えてよいでしょう。
このような体質で更年期障害の腹痛でお悩みの方は当帰芍薬散が良いでしょう。
参照 河合斎 婦人雑病脈証并治第二十二 17条解説
少しタイプの違う腹痛 小建中湯 大建中湯
胃の働きに比べ腸の働きが弱く胃から送られて来た飲食物が腸の方で滞る場合の腹痛には小建中湯が良いでしょう。おへその辺りを押すとドキンドキンと動悸打ちがあり、おへその回りが硬く痛い時に試してみるとよい漢方薬です。
参照 河合斎 婦人雑病脈証并治第二十二 18条解説
もっと激しい症状が現れる場合もあります。腸の蠕動運動が痙攣状態でお腹に生き物が這いまわっているようでお腹が盛り上がったり引っ込んだりで手を触れるのも痛い場合はガスが溜まり腸管の痙攣によるもので横隔膜も引っ張られるので下腹部からみぞおちの付近まで痛みが起こります。このような激しい腹痛には大建中湯をお勧めします。
参照 河合斎 腹満寒疝宿食病脈証治第十 解説 14条解説
更年期女性に多い瘀血(おけつ)
更年期を迎える女性の腹痛を考える時に必ず考慮しておかなくてはならないのが瘀血(おけつ)と呼ぶ漢方独自の病症です。女性は一生を通して生理、妊娠、出産など下腹部の血液循環が滞ったり、血熱と呼ぶ血液中の熱を体の外に取り出す状態を繰り返しています。女性が閉経に差し掛かる頃には血液の滞りや血熱が蓄積していることが多いのです。
自分でできる瘀血のチェック法
瘀血による子宮・卵巣周辺の血液の滞りを治すことは更年期障害の腹痛を治す体質改善として大切なことです。瘀血症状のチェック方法として仰向けになって膝を立てお腹の力をゆるめた状態で右足の付け根近く、盲腸の辺りを押して痛みがないか硬くないか、反対の左側はどうか自分でチェックすることが出来ます。
また、舌をひっくり返して根元に血管の黒ずみが強くないかもチェック方法です。これらの自己チェックで気になる症状があれば桂枝茯苓丸や温経湯を試してみるとよいでしょう。
まとめ
更年期障害に使う漢方薬は検索してみると分かりますが、ご紹介した漢方薬以外にもたくさん出てきます。更年期障害の腹痛に使う漢方薬を選ぶ基準は血熱の程度、胃腸良し悪し、瘀血の有無などを考慮することが大切です。
ここでお伝えしたかったのは、更年期障害の腹痛の漢方薬を選ぶ時、行き当たりばったりに漢方薬を選ぶのではなく、漢方では更年期症状をどのような体の原因で起こしていると考えているのか、症状の虚実、長引く症状では瘀血の手当てを考慮することが大切です。
さらに、更年期障害の悩みでは自律神経の不調和が多く見られます。河合薬局では自律神経を整えるレム(LEM=シイタケ菌糸体培養培地抽出物)を併用して喜ばれることが多くあります。お困りの方は一度ご相談下さい。
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