更年期のほてりを漢方薬で改善する知識と具体例
更年期のほてりを漢方薬で改善する知識と具体例
あなたは更年期が原因のほてりにお悩みではありませんか?ホットフラッシュとも呼ぶ顔面頭部のほてりの悩みです。「頭から湯気を立てる」と言いますが漢方では更年期のほてりを頭部上半身に熱気が集まり湯気を立てている状態と考えて治療法を組み立てます。ここでは更年期が原因で起こるほてりを改善する漢方薬の考え方と処方例についてお届けします。貴方のほてりの悩み解決にお役立て下さい。
更年期のほてり 漢方の考え方
「頭から湯気を立てる」の言葉通り更年期のほてりを漢方では頭部や上半身に熱気が上衝している症状と考えて治療法を決めます。熱気が上衝する原因はいくつかのタイプがありますがここでは胃腸虚弱が原因のほてりと血熱が原因の更年期ほてりについて漢方の考え方をお届けします。
胃腸虚弱が原因で起こる更年期のほてりとは
胃腸の働きが弱く陽気不足が原因で起こる更年期のほてりがあります。陽気不足とは皮膚表面から熱を取り出す働きが弱い体質のことです。
私たちの体は食べ物を胃腸の働きを通じて体内に摂りこみ体の中で熱エネルギーに変えて体を維持しています。体の中にはいつも熱が充満し、一方で余分な熱を血液とともに皮膚表面に送り体の外に熱を取り出してバランスを取っています。体内の余分な熱を外に取り出す働きの大元が胃腸の機能だと漢方では考えています。
私たちの胃腸の中は飲食物に含まれる水に加えて唾液や胃液などの消化液が絶えず流れています。その量は1日およそ9リットルにもなります。
ところが胃腸の働きが弱くお腹に水が滞り水の動く音がするような胃内停水(いないていすい)があると胃腸機能が低下して胃気が塞がれると漢方で言いますが胃の働きが抑えられてしまうのです。
胃気塞がれた更年期ほてりに苓桂朮甘湯
胃腸の働きが低下し胃気が塞がれた原因で起こる更年期のほてり症状に苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)をお試し下さい。
前述のとおり胃気と呼ぶ胃の働きが抑えられてしまうとほてり症状に加えて皮膚表面への血液循環が低下し体表から熱を取り出せず冷え症状や胃内停水が原因で胸部が支えたり陽気がめぐらずめまいなどの症状が現れることもあります。
血熱が原因で起こる更年期ほてりとは
前述のとおり私たちの体は熱を作り出して体を維持し余分な熱を大小便や汗で体から取り出してバランスを保っています。なかでも女性の生理は出血により最も激しく体の熱を外に取り出しているのです。
更年期に差し掛かる頃には生理が滞ったり量が減り体の熱のこもりを十分に取り出すことが出来ず血熱(血熱)と呼ぶ血液の熱が体にこもってきてしまいます。
更年期の発熱の原因と対策について詳しくは、更年期の発熱やゾクゾク寒気の原因と対策!おススメ漢方薬の選び方 を参照して下さい。
血熱が増して来ると頭部上半身に熱気が集まり更年期のほてりを起こしやすくなるのです。
血熱が原因の更年期ほてりに加味逍遥散
血熱が原因の更年期ほてりには血熱を鎮める柴胡(さいこ)が配合された漢方薬の中から治療法を選びます。柴胡が配合された漢方薬にはたくさんの種類がありますが、血熱が原因の更年期ほてりにお勧めは加味逍遥散(かみしょうようさん)です。
加味逍遥散が奏効する更年期のほてり症状ではほてり以外に頭重、神経症状、発汗、不眠などの血熱が原因で起こる様々な症状にも応用できます。
更年期のほてりに必須 瘀血の改善
瘀血(おけつ)とは漢方独特の考え方で血液の流れの滞りを指します。私たちの体は悪いところがあるとその場所に血液を集めて自力で治そうとします。新鮮な血液がスムーズに届くかどうかが自然治癒力が活発に働くかどうかの決め手です。
ところが瘀血が血液の流れを滞らせていると血熱を運び出すことが出来ず血液の熱を冷ますことが出来ないため更年期のほてりを改善するのが難しくなります。ですから、症状を改善するための漢方薬と瘀血を治す漢方薬を併せて飲むことが症状を早く改善するために大切な場合が多くあります。
まとめ
更年期に伴う症状は今回お届けしたほてり以外にも様々な症状があります。ここでお伝えしたかったのは更年期の漢方薬を選ぶ時、漢方では更年期症状をどのような体の原因で起こしていると考えているのかをよく考え、その原因となっている体質を治すことが症状の一時抑えではなく更年期を元気に過ごす体質改善につながるのです。
また長引く症状では瘀血の手当ても考慮することが大切です。さらに、更年期障害では自律神経の不調和が多く見られます。河合薬局では自律神経を整えるレム(LEM=シイタケ菌糸体培養培地抽出物)を併用して喜ばれることが多くあります。お困りの方は一度ご相談下さい。
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